こんにちは。前回の記事では現在のSerato Dj、TRAKTOR、rekordboxを比較する記事を書いてみました。私はここ十数年、Scratch liveやSerato Dj、いわゆるSerato系ソフトウエアを使ってDjを楽しんできましたが、最近Serato Dj以外のPCDJソフトウエアに切り替えてみようかと検討しております。とはいえ正確には切り替えるというより併用するといった感じになると思いますが・・・。
今回はPCDJソフトウエア切替を検討しはじめた背景を書いてみようと思います。
PCDJソフトウエア切替を検討した背景
先述の通り、これまでミキサーなどのハードウエアも含めてすべてSerato Djを中心としたセットアップを使用してきました。その大きな理由としてはソフトウエアの軽く安定した動作とDVSを使用した際の追従性、Djシーンにおいてデファクトスタンダードとなっていたという点が大きかったのです。
しかし長年使っていく中でPCのスペックが向上したり、ライバルのソフトウエアであるTRAKTORやrekordboxのアップデートでおもしろそうな機能や便利機能が追加されたりでPCDJを使い始めた頃と環境も変化し、Serato以外のソフトウエアも自分でトラブルシューティングできる程度には使い込んでみたいという気持ちになったわけです。そんな折、最近ユーザーが増えているというrekordboxの概要を知りたいと思い、rekordboxパーフェクト・ガイドという本を読んでみました。
同書内では各機能を丁寧に解説されていますが読めば読むほど多彩な機能が実装されており、使ってみたいという気持ちになりました。
rekordboxの魅力的な機能
今回rekordboxを検討するきっかけとなった私、個人的に魅力を感じた機能を上げていきたいと思います。
CUEポイントの数
先日投稿した記事でも表にしてお伝えしましたが、Serato Dj、TRAKTORと比べて倍となる16個のHOT CUE、+10個所のMemory CUE設定できるというのは大きな魅力です。私は単純にキューとして使用する以外にもmixのスタートポイント、エンドポイントのマーカーとしても使用しているため豊富なほど良いと思います。
PAD FX
TRAKTORではマッピング次第で可能になるようですが、 Serato DJには実装されていない機能です。各デッキに用意されたパッドに自分の好きな機能をアサインしてパッドから瞬時に呼び出せるという機能です。この機能については以前から魅力を感じており、エフェクトに関して新たな楽しみ方ができるのではないかと思います。
リリースFX
pioneer機材独自のFXでハードウエアエフェクターのRMX-1000などに実装されているエフェクトです。使い方としてはビートFXなどで発音されたエフェクト音の締めくくりに使用できるエフェクト効果です。
サンプラーのシーケンス機能
サンプラー自体はSerato Djにも実装されておりますが、シーケンス機能は実装されておりません。対するrekordboxはシーケンス機能が実装されており、シーケンス情報は保存することもできます。このシーケンス情報に対してクオンタイズも可能なので手打ちしたビートを即プレー中の音源にシンクしてミックスすることも可能ですね。
beatport linkの対応
現在rekordboxはパブリックβ版でサブスクリプションサービスのbeatport linkに対応しています。 今までのようにダウンロードサイトで音源データを購入してローカルフォルダに保存してソフトにインポート・・・なんて作業をしなくてもrekordboxから直接beatportにアクセスしてデータストリーミングでDjができるようになります。先述の多彩な機能はもちろんですが、beatport linkに対応しているというのは一番の大きな魅力と言えます。
beatport linkでは約600万曲のダンスミュージックデータベースにアクセスできるようになり、rekordboxのブラウザ上でデータが扱えるようになり、通常の音源データと同様にプレイリストの作成も可能になるというものです。
現在、beatportlinkには4つのプランが用意されており先述のデータストリーミングでDjが可能になるのはbeatport link (月額 USD14.99)以上のプランになります。ちなみにwi-fi環境が無い場所でDjをする場合にはストリーミングができないため、ダウンロードが可能なbeatport link pro、またはbeatport link pro⁺の契約が必要です。ダウンロード可能な楽曲数はbeatport link proが50曲、beatport link pro⁺が100曲です。
rekordboxにはスマホ用アプリがある
rekordboxのアプリはDjそのものはできませんが、スマホやタブレットで仕込み作業ができるのは大きな魅力と言えます。
Serato DJの場合、グリッドやキューポイント、ループの設定、プレイリストの作成等、全てPCで行う他ありませんが、rekordboxではPCはもちろん、スマホ、タブレット用のアプリが用意されているため出先でも手軽にそれらの作業が可能です。スマホ、タブレット側で作成したプレイリストはwi-fi環境があればPC側に送ることも可能です。
操作環境はDDJ-1000が良さそう
今まで20年以上ターンテーブル+ミキサーの環境でDJしてきましたが、このタイミングで一度コントローラー環境を使い込んでみたいと思っております。
とはいえターンテーブル環境を完全に無くすることはできませんが・・・。
コントローラーの中でも今一番注目している機種がpioneer djのDDJ-1000です。さまざまなサイトでも評価の高い同機種ですが、CDJ-2000nxs2+DJM-900nxs2のレイアウトに近いという部分が特に評価されていますね。
スクラッチを楽しんでいる私にとってはジョグダイアルが往年のCDJシリーズと同様に感圧式であるという点が大きいのです。以前、DDJ-SXなどのコントローラーも触る機会がありましたが、ジョグダイアルが静電式だったためほんの少し触れただけでも反応してしまいとてもコスリにくかった記憶があり、それ以来コントローラーにはあまり注目していませんでした。
ジョグダイアルの方式以外にも4chのリアルミキサーとしても使用できることに加え、スクラッチに対応したMAGVELフェーダーを採用している、またミキサーセクションのエフェクト関連が充実しているという点も大きな魅力です。
まとめ
現在、自分なりに調べている段階でまだ決めていませんが、rekordboxかTRAKTORのどちらかを使い込んでみたいと思っていますがTRAKTORについては先述のような大型ジョグダイアルが搭載されたコントローラーが無いため今のところは考えていません。
もちろん長年慣れ親しんだSerato DJやアナログセットから完全に切り替えるということはできないと思いますが、各種機能やbeatport linkのライブラリ環境なども含めて今までとは違ったスタイルを模索するという意味では挑戦してみる価値があると思っております。
本記事が私と同じようなことを考えている方の参考になれば幸いです。