KIEA製の棚「KALLAX」でDJブースをDIY制作

KAOSS PAD KP3+ を PCDJ で活用する

KAOSS PAD KP3+ を PCDJ で活用する

今回は名作DJ機材 KAOSS PAD KP3+ と PCDJ での活用、接続について触れてみたいと思います。

KAOSS PAD KP3+の画像

今回初めてエフェクターに関わる投稿となりますがエフェクターとは何?という方はとても簡単ではありますが、こちらのページにまとめてありますので気になった方は読んでみてください。

KAOSS PAD (カオスパッド)シリーズはちょうど私が大学の頃、1999年に初代KAOSS PAD が発売され、業界で大きく注目を集めました。

それまではツマミやスイッチで制御することが一般的だったエフェクトの操作をXYパッドと呼ばれる指先で触れるだけの直感的操作で制御できるということからDJ市場、特にテクノ、ハウスなどのジャンルのDjに一気に広がり、人気となりました。

その後、後継機のKP2、KAPSS PSD QUAD、KP3とリリースされ、現行モデルはKP3+となっています。

中古市場でも過去の機種は多く流通しておりますが、個人的にはやはり現行モデル KAOSS PAD KP3+ が一番良いと思っています。

※同シリーズの小型タイプ、miniシリーズやKAOSS PADを内蔵しているミキサー等はまたの機会に取り上げたいと思います。

KAOSS PAD KP3+ にできること

現行機種であるKAOSS PAD KP3+を購入した場合どんなことができるようになるのかまとめてみましょう。

  • 音に効果を加える(例えば原音(入力音)にエコーを付ける、歪ませる、音程を変えるなど)エフェクトの種類は合計で150種類
  • 他の機種と違い、エフェクトのかかり具合をつまみではなく直感的にタッチパッドで制御、変更できる
  • 瞬時にお気に入りのエフェクトに切り替えができる(8つまで)
  • MIDIコントローラーとしても使用が可能USB端子も搭載
  • 4つまで分けてサンプリングと再生ができる。ループサンプリングも可

KAOSS PAD KP3+ はどんな人に向いているか

  • 原音のみのプレイではなくエフェクトを使ってプレイの幅を広げたいと思っている人や曲のつなぎ方にレパートリーを増やしたいと思っている方
  • 曲に緩急を付けたい
  • エフェクトとループサンプリングを多用して新しいスタイル見つけたいという方

などではないでしょうか。

【参考動画】BEARDYMAN & mr_hopkinson

こちらの動画は2008年に公開されたものですが、個人的には名作動画の一つとして今でも見たりします。KAOSS PADは2台使用されており、エフェクト、ループサンプリングともにかなり使いこなしている内容です。

映像編集も秀逸で音を重ねていっている感が非常に良く伝わってきますね。

DJで使う場合、購入前に確認すべきこと

エフェクターを購入する際、接続に関して注意するポイントがあります。

それは

追加しようとしているミキサーの接続端子を一度確認する必要があるということです。

主な接続方法は2種類

Djミキサーへの接続方法は主に2つあります。

  1. ミキサーのマスターアウト ⇒ KP3+のInput ⇒ KP3+のOutput ⇒ スピーカー
  2. Send端子 ⇒ KP3+のInput ⇒ KP3+のOutput ⇒ Return端子

1:マスター出力とスピーカーの間に接続する

KAOSS PAD KP3+の接続方法(マスター経由で接続する場合)

基本的に後述するsend/return(センド/リターン)端子が付いていないDjミキサーを使用している場合、1の接続以外に選択肢はないと思っていいでしょう。

1の接続はDjミキサーのマスターアウトとスピーカーの間にKAOSS PADを挟む接続でどんなDjミキサーであっても接続は可能です。

しかしこれには大きなデメリットがあります。

それは各チャンネルごと独立してエフェクトをかけることができないという点です。

具体的に言えば、CH1にはエコーをかけたいが、CH2は原音のままにしたい、またはその逆といったようなことができないということです。

スピーカーへ送られる最終的なマスター音にエフェクトをかけることしかできませんので曲をつなく際に使用することは難しいでしょう。

2:send/return(センド/リターン)での接続

KAOSS PAD KP3+の接続方法(センドリターン経由で接続する場合)

1の接続とは対照的に2の場合、つまりsend/return(センド/リターン)端子を装備しているDjミキサーの場合はチャンネルごとに独立してエフェクトをかけることができます。

センド/リターン端子が付いているDjミキサーであればsendボタンやスイッチが付いているためエフェクトをかけたいときだけ、sendスイッチを入れれば、かけたいチャンネルだけにエフェクトをかけることが可能です。

ちなみに全てのチャンネルをセンド状態にしてエフェクトをかければ1の接続と同じ状態になります。

つまり1の接続は限定的な使い方しかできませんが、2の接続であればプレイ的に幅広い使い方ができるということですね。

私個人的にはDjセットの中にエフェクターを組み込む場合、2の接続以外はありえないと思っております。

Ableton Linkの活用

ここまでは KAOSS PAD KP3+ の通常の使い方について書いてみましたがここからはアプリなどを合わせて PCDJ 環境での活用方法を考えてみようと思います。

個人的にはAbleton Linkを接続してSerato DJと同期して使用してみたいと考えております。しかし。製品仕様上、KAOSS PAD KP3+単体ではAbleton Linkの接続機能を持っていません。

ではどうやって接続するのか?

ご存知の方も多いかと思いますがLink to MIDIというアプリを使用してKAOSS PAD KP3+とAbleton Linkを接続します。

Link to MIDIのアイコン

このアプリを使用するとAbleton Linkに対応しているソフトウエアとテンポが同期できるためKAOSS PAD KP3+をAbleton Linkに対応させることができるようになります。

Ableton Linkの接続イメージ

Ableton Linkの接続イメージは下記のようになります。

KAOSS PAD KP3+とAbleton Linkの接続イメージ

私自身まだ試したことが無いので何とも言えませんがUSB経由でMIDIクロック情報が送信できればいけるのではないかと思っております。

USBの端子が無い機材やMIDI端子経由で環境を組む場合、 KAOSS PAD KP3+側からアプリへMIDI信号を送る必要があるためiOSに対応したTRAKTOR SCRATCH A10のようなインターフェースが必要になります。

※ちなみにTRAKTOR SCRATCH A10は2019年12月7日現在、オタイレコードさんでまだ50%offセールをやっていますね。あまりにもお買い得なので私も真剣に欲しいと思っています。

配線のイメージ的には下記のような感じでしょうか。

KAOSS PAD KP3+とAbleton LinkのMIDIケーブルでの接続イメージ

これらのセッティングでSerato DjやTRAKTORなどのDjソフトウエアとテンポ同期ができれば ループサンプリングやエフェクトも全て同期されるためより面白いことができそうですね。

こちらも試したことはありませんが理屈では可能だと思います。

まとめ

KAOSS PADは以前私も現行の一つ前のモデルを所有していたのですが、何年か前に機材整理のタイミングで手放してしました。

KAOSS PAD KP3+ 自体は何年も前に発売された製品で、最新機材というわけではありませんが、Link to MIDIのような技術と合わせることでトレンドに合わせた使い方ができるようになりますね。

同じように他の機材も見渡して考えてみると、ひと昔前の機材であってもMIDIの送受信機能さえあればSerato DjのようなAbleton Link対応のソフトウエアと合わせて使用することができるかもしれないわけですね。

そうなると中古の安い機材等でもLink to MIDIを加えることで面白いDjプレイにつながる可能性も出てきます。技術っておもしろいものですね。

今後、上記の接続を試すような機会があったらその際は記事を投稿したいと思います。

画像出典:DirigentKORGApp Store Preview

Dj機材カテゴリの最新記事