先日、中古でVestaxのPMC-37proを購入しました。このミキサーは発売当初、定価150,000円の商品でしたが、発売から15年以上経過し、中古市場では10,000~20,000円程度で買えるようになったので、もう一度始めた頃のフェーダーに触りたいという思いで購入してみました。
Vestaxについて
近年、Dj機材のマーケットではDJM-900nxs2やDJM-S9などのPioneer Dj製品がスタンダードになっていますが、私がDjを始めた頃のスタンダードブランドの一つとしてVestaxが多くのDjから支持されていました。最近でもメルカリやヤフオクなどで多くの中古機材を見かけますがその中には多数の名作ミキサーと呼ばれる機材もあります。
ちなみに私が初めて買ったDjセットは名もないような小さなリサイクルショップで買ったそれはそれは古いPDT-4000というターンテーブルとStreer master5005というミキサーのセットでした。その後、定期的にレコードを買い始め、Technics SL-1200の購入と同時にPMC-05pro2というミキサーを購入しました。その後も何種類かスクラッチミキサーを使用し、PMC-08proを最後にVestaxを使わなくなりました。しかし今でも欲しいミキサーや思い出として買い直したいミキサーがいくつかあります。
PMC-37proとは
PMC-37proは2002年に発売された3チャンネルのアナログミキサーで発売当初は150,000円前後したことからその当時は高額機種の部類に入る製品でした。筐体の大きさや操作部分のレイアウト、スペックの内容も当時では珍しいものでエフェクト多用するDjには密かに人気があったと記憶しています。当時はDj KenratoさんやDj kiyoさんが使用していた記憶があります。
主な仕様 (当時のメーカーサイトより)
INPUT SECTION
PHON0 1~ 4 (RCA PIN JACK) ‐45dBv 470Ω
LINE l~4 (RCA PIN」ACK) OdBv 47K0 MiC (1/4″PHONE」ACK) ‐50dBv 47K Ω
EFFECT RECEIVE(1′4″PHONE」ACK) OdBv 3 3KΩ
NOMINAL OUTPUT LOAD lMPEDANCE
OUTPUT SECTION
MASTER (TRS BALANCED」ACK) +4dBv >10K Ω
SUB MASTER (1/4’UNBALANCED JACK) OdBv >10K Ω
REC OUT (RCA PIN」ACK) ‐10dBv >10K Ω
EFFECT SEND (1/4″PHONE」ACK) OdBv >10KΩ
MAXMUM OUTPUT lMPEDANCE
HEADPHONE (1/4″PHONE」ACK) 187mW(150 Ωload) >8Ω
FREQUENCY RESPONSE 20~ 20kHz
S/N RAT10 く80dBv
POVVER SUPPLY AC12V 1000mA
Size(W× H× D) 302× 103×406(mm)
WEIGHT 5.8kg
PMC-37proの特徴
1:マトリックスインプットアサイン
これはPHONOとLINEで計8系統の入力を3つの好きなチャンネルへ割り振れる機能です。この仕組みを採用している機種は今までこの機種でしか見たことがありません。
同じ入力信号を1CHと2CHに割り振って1CHのPANをL、2CHをRにしてLRを各チャンネル割り振ることもできます。
外部エフェクターも繋げられるのでLRに別々のエフェクトをかけるなんてこともできます。またちょっと接続を変えたいないなんていうときも手間を省いてくれます。
2:アイソレーター+ON/OFFスイッチ
以前の記事でも投稿した対象の周波数帯を完全にカットできる機能です。
ON/OFFスイッチが搭載されているのであらかじめ設定したアイソレータの状態をスイッチのONで即反映させることもできます。
3:2系統のセンドリターン
こちらも以前の記事でもかいた外部エフェクター用の機能です。通常のDjミキサーはセンドリターン機能が付いていても1系統のみですが、このPMC-37proは2系統の外部エフェクターを接続可能です。また過去の記事でも少し触れたプリフェーダー、ポストフェーダーについてもPCM-37proはスイッチで選択可能になっています。
4:クロスフェーダーカーブ調整
クロスフェーダーはCF-37PCVが搭載されており、PMC-05、07などのスクラッチミキサーと同様にフェーダーカーブ特性が調整可能なのでスクラッチすることもできます。 ただし現行のスクラッチミキサーと比較してあまりキレが良くないため個人的にはフェーダーの中身を少しカスタムしたいと思っております。ここについてはまたタイミングを見て書きたいと思っています。
5:フィルター
DRY/WETのつまみとSWEEPの二つでフィルターの特性を調整できます。フィルターのかかり具合はMAXまで持って行くとかなり強烈に効きます。思っていた以上に後の変化が過激です。
合わせて使いたい機材
やはりセンドリターン機能が2系統もあるので外部エフェクターは使いたいと思っています。特に私の場合はEchoやリバーブなどの空間系エフェクトをよく使用するのでRolandのSP-404sxやKORGのKP3+あたりが欲しくなります。またSerato Djを使用する場合はコントローラーがあると便利なのでPioneer DjのDDJ-SP1のようなものがあると使いやすいです。
まとめ
今回はwebで見つけて安かったのでなんとなく買ってしまいましたが、非常に状態も良く不具合も無かったのでとてもいい買い物ができたのではないかと思っています。
久しぶりにアナログミキサーでMixやスクラッチを楽しみましたが、温かみを感じる音質や懐かしいVestaxの操作感はテンションが上がりました。
気が付けば寝不足になる時間まで遊んでしまいました。
全体の感想としては不具合やノイズなども無く状態が良かったこともありとてもいい印象の機材でした。
もちろん最先端をいくRaneのSeventy-twoなどのミキサーも楽しいですが、今回のPMC-37proはまた別の楽しさとがあると思いました。Djを始めた当時はアナログミキサーしか無くそれが当たり前だったので何も感じませんでしたが、デジタル時代の今になって聞き直すとDVSではなくアナログでのMixに使いたいミキサーだと思いました。
昨今、時代の流れとともにDjを始めた当時のアナログミキサーが中古で安く買えるようになってきたのでお手頃品をみつけたらチョコチョココレクションとして集めていきたいと思っています。