Rane Seventy-two の フェーダーメンテナンス について紹介していこうと思います。スクラッチミキサーは使用していくうちに少しずつフェーダーが重くなってくることが多々あります。
そんなときに私が行っているお手入れの方法を写真と合わせて詳しく説明したいと思います。
同じようなことで悩んでいる方、またはメンテナンスしたいけどどうしていいか分からないという方の参考になれば幸いです。
Rane Seventy-twoとは
Rane社のDjミキサーSeventy-twoはバトルやScratchで使用されることを目的とした2chのDjミキサーです。
Serato Dj用のインターフェースを内蔵し、エフェクトとMidiコントローラーまたSerato Djをコントロールするための操作子も多数装備した2019年3月23日現在、最新のモデルです。
今までpioneer DjやVestaxなど色々な製品を使用してきましたが、温かい印象の音色が気に入りTTM57SL、Sixty-twoなども使用し、現在はSeventy-twoをメインで使用しております。
フェーダーのメンテナンス
Djを始めた頃はVestaxのPMCシリーズやTechnicsのSH-DJ1200などのミキサーが主流でした。私はScratchを練習することが多かったため最初に使用したSH-DJ1200ではすぐにノイズ(ガリ)が入るようになってしまい、スクラッチの際のクリック動作に強いミキサーが欲しくなりました。
そこでちょうど1999~2000年の頃VestaxのPMC-05pro2というモデルを購入しました。
このモデルはCF-PCVというフェーダーが内蔵されておりしっかりとメンテナンスをすればとても良いコンディションで使い続けることができました。
この頃からフェーダーのメンテナンスは定期的に行うようにしています。またミキサー購入時はできるだけ詳しく調べたりしています。
注意事項
以下にRaneのDjミキサーSixty-twoのフェーダーメンテンナンスの方法を記載していきます。しかしこれらの方法あくまで私が周りのスクラッチャーや機材ショップの方などから教えてもらった方法を参考にしており、全てが正しいか否かは保障できません。
つきましてはメンテンナンスを行う場合はこの記事を読んでいる方ご自身の判断、責任において行ってください。当方は一切の責任を負いかねます。
Seventy-twoのフェーダーメンテナンス方法
用意するもの
- ドライバー(+、-)
- 電子部品用パーツクリーナー
- Skateboard用ベアリングオイル(NinjaやBONESなど)
- ティッシュ(またはワイプなど)
- セーム革や柔らかい布等(必須ではありません)
- パーツトレー (必須ではありません)
- 爪楊枝等
topパネルを外す
まずは電源や音声ケーブル、アース線などをすべて抜き、本体のみの状態にします。
Seventy-two上面下部、フェーダーセクションにあるフェーダーノブ(つまみ)×3つとネジ×6本を外します。購入時、フェーダーノブはかなりしっかりと取り付いているので私はセーム革とマイナスドライバーで外しました。
pioneerのミキサーと違いフェーダーノブは刺さっているだけの構造になっています。トラブルを防ぐために
※このような作業をする場合に解体は簡単にできますが、一度バラしてしまうと組立の際にわからなくなり、組み立てることができなくなる可能性があります。そのようなことを防ぐためにできるだけ要所でバラす前の状態を写真に撮っておくとよいと思います。
また紛失を防ぐためにパーツトレーの使用や外したパーツの位置や種類がわかるような置き方をするのも大切だと思います。
フェーダーユニットの取り外し
下記写真の赤丸で囲った 2本のネジを回してフェーダーユニットを外します。
フェーダーユニットに刺さっているコネクタを外します。
フェーダーユニットの分解
下記の写真のようにフェーダーユニットに取り付いている基板を固定している4本のネジを外します。
基板とフェーダーシャフトのパーツ、2つに分かれます。
フェーダーシャフトのパーツは両サイドの黒い樹脂製ブラケットに刺さっているだけの構造ですので、ブラケットを手で外側に引っ張れば下記の写真のように分解できます。
フェーダー内部のクリーニング
フェーダーユニットのシャフトを通す白い樹脂製パーツのシャフト穴内側に付着した汚れをパーツクリーナーと布やティッシュを巻いた爪楊枝等を使ってきれいにします。
次に二本のシャフトもパーツクリーナーと布やティッシュを使用してクリーニングします。
潤滑油の塗布
キレイになったシャフトに潤滑油(ベアリングオイル)を塗布します。この時平らな場所で作業するより下記写真のように片側にブラケットを付けると作業しやすいと思います。
下記写真のように反対側のブラケットも取り付けて白いパーツのシャフト穴内側にも潤滑油が行き渡るように左右に動かして慣らします。
くれぐれも潤滑油のつけすぎには注意し、余分な潤滑油はしっかりとふきとりましょう。
この時、ブラケットの水平と二本のシャフトが平行が取れないと正確な状態が把握できません。
なので下記写真のようにブラケットを平らな面を机などの平らな面に当ててブラケットの水平を取ってから確認するとよいと思います。
最終取り付けの際は、基板の固定とミキサー本体への取り付けによって水平と並行が得られる設計のようなのでここではあくまで確認する程度で良いと思います。
フェーダーの組立と取り付け
滑らかな動きが得られたらフェーダーの分解手順を逆に行い組立、ミキサーへの取り付けをします。
基本的なことですがネジ穴のタップを切ってしまわないよう、締めすぎには注意しましょう。樹種製パーツは特に気を付けましょう。
また意外にミキサー本体にフェーダーユニットを取り付ける際にミキサーケース内にネジを落としてしまうというケースがよくあるので焦らず確実に作業しましょう。
縦フェーダーのメンテナンス
ここまででクロスフェーダーの手順を紹介しましたが、縦フェーダーも全く同じ手順でメンテナンスができますので同様にクリーニングおよび潤滑油の塗布を行います。
3本すべてのフェーダーメンテナンスが完了したらトップパネルを閉じて元通りにして作業完了です。
追記 (2019年12月2日)
noterepeatのYoutubeチャンネルにてRane Seventy-twoのフェーダーメンテナンスの動画をアップしています。
詳しく知りたい方は見てみてください。